INTERVIEW
初めは、「起業」というものは異星人が行うものだと思っていました。
西山恵太さん(2014セミファイナリスト/Curio School代表取締役)
仕掛けている事業について教えてください。
僕たちは、Curio Schoolという
子どもの創造力を育む場所をつくっています。
小学生を対象として、
毎週1回通ってもらう教室を運営していますが、
そこでは受験勉強や学校の勉強とは全く違った授業を行っています。
知識を覚えるのではなく、
知的好奇心を育てることによって子どもたちの創造力を伸ばし、
これからの社会で生きていくための力を育てています。
僕たちが大事にしていることとして
“Learn by Doing”という言葉があります。
何かを実践して(doing)、
「?」(疑問・気づき)が生まれ、
そこから主体的な学び(learn)を通じて
「!」(発見・理解)につなげることを意味しています。
例えば、「動物と動物ではない境界線」について考えてみます。
イヌやネコははっきりと「動物」と言えるかもしれませんが、
ドラえもんは動物でしょうか、動物ではないでしょうか。
またサボテンは「動物ではない」といえるかもしれませんが、
食虫植物のように動きのある植物は「動物ではない」と言い切れるでしょうか。
こんな風に知識としては動物、ロボット、植物…と区別しているものも、
何故それらが動物か動物ではないか、という問いには答えられません。
このような問いかけをしながら、
子どもたちと一緒に動物に関する理解を深めていきます。
この他にもデザイン思考を活用し、
社会の問題を見つけることやその問題を解決するための
アイデアを考える授業も行っています。
学校は学校でカリキュラムを消化することで手一杯です。
家庭は家庭で子どもとゆっくりと対話をする時間が少なくなってきています。
そのため僕たちは子どもたちの創造力を育む第三の場所を創り、
10年、20年先の未来の社会を見据えた事業を行っています。
西山さんにとって、TOKYO STARTUP GATEWAYはどんな価値がありましたか。
最も価値だと感じたことは、参加者同士による相互メンタリングでした。
もちろん、先輩起業家の方々からしていただいた
メンタリングもとても有難かったのですが、
参加者はほぼ同じステージにいる立場であり、
かつ、自分が取り組もうとしている事業領域と近い繋がりの中で、
起業準備段階における課題や悩みを共有できたので、
精神的にとても助かりました。
また、定期的なマイルストーンをTOKYO STARTUP GATEWAYが設定していただいたため、
そのマイルストーンをペースメーカーにして、
チームメンバーの意識がまとまり、
事業化に向けたスピードが早まったと感じております。
最後に、これから起業を検討されている方へ、メッセージをお願いいたします!
僕はサラリーマンの親の元に生まれた人間なので、
起業というものは異星人が行うものだと思っていました。
でも、TOKYO STARTUP GATEWAYなどを通じて周りに起業を志す人がいたり、
実際に起業している人の話を聞いている内に、
起業というものが就職や転職と同じレイヤーに
存在することがわかってきました。
起業を必要以上に恐れることはありません。
ただ、忘れないでいたほうが良いと思うのは、
自分が本当に実現したい社会や実現したいことがあり、
起業をしたほうが実現可能性が高い、
成功確率が高いと思うのであれば起業をしたほうがよいと思いますし、
起業するより大企業で新規事業として取り組んだほうが
実現可能性や成功確率が高いのであれば、
就職や転職を選んだほうがよいということです。
そして僕は起業を選びました。
正直毎日ワクワクしています。
休日など関係なく動いています。
それぐらい楽しいのです。
ワクワクできるものがあり、大企業では実現出来ないのであれば、
就職や転職と同じ感じで起業をしましょう!
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[ PROFILE ]
西山恵太さん(2014セミファイナリスト/Curio School代表取締役)
CURIO SCHOOL 代表取締役・ファシリテーター。京都工芸繊維大学にて製品デザインを専攻し、その後京都大学経営管理大学院に進学。その際にスタンフォード大学ME310プロジェクト(デザイン思考を活用した製品開発プロジェクト)に従事。2011年に株式会社野村総合研究所に経営コンサルタントとして新規事業開発支援や官公庁の政策調査・実行支援プロジェクトに従事しながら、課外活動として、2012年より子ども向けにデザイン思考をベースとしたワークショップを10本以上企画・実施。2014年は広尾学園にて土曜特別講座(「社会を変えるためのアイデアを生み出すデザイン思考講座」)の講師を務め、2015年は品川女子学院にてデザイン思考講座の講師を務める。
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