INTERVIEW
400文字の夢のつづき 第13回 ~ミュージカルをみんなのものにするプラットフォームの構築~
水島 由季菜さん(2020ファイナリスト/株式会社Protopia 代表取締役)
連載インタビュー『400文字の夢のつづき』は、TOKYO STARTUP GATEWAY(TSG)出身起業家の皆さんに、取り組まれているプロジェクトや起業までのストーリーをお伺いしていきます。
エントリーを検討されている方、そして、幅広く起業をお考えの皆さんのヒントになるはずです。
第13回目は、水島由季菜さんです。
ミュージカルをみんなのものに
ー自己紹介をお願いします
株式会社Protopia 代表取締役の水島由季菜です。2011年宝塚雪組公演の「ロミオとジュリエット」を鑑賞したのがきっかけでミュージカルに魅了され、今に至ります。その後、日本のミュージカル市場に関する記事やミュージカル役者を対象にした自主アンケート調査結果を発表したところ、多くの反響を頂きました。そして、関わるすべての人がハッピーでいられるミュージカルの健全なビジネスモデルを模索する中でTSG2020に出会いました。現在はプロデューサー兼脚本家としてオリジナルミュージカル制作に挑戦中で、YouTubeで短編映像作品を無料配信するほか、2021年8月には長編作品の公演を予定しています。
ー事業について教えてください。
「ミュージカルをみんなのものに」をビジョンに掲げ、これまで一部の人しか興せなかったミュージカルを解放し、誰もが自由に創ったり演じたり発信できる世界を目指しています。そのひとつの形態として、現在は短編映像ミュージカル作品の制作を手掛けています。
コンテスト中の仲間との出会い
ーTSGに参加したきっかけを教えてください。
「いつか起業できたらいいな」と考えていたときにたまたまTSGの存在を知りました。たった400字でエントリーできると知り、本当に軽い気持ちで参加を決めました。
ーTSGに参加されて、どのような出会いがありましたか?
これまで自分が構築してきた環境の中では決して出会うことがないだろうたくさんの先輩方に出会いました。皆さん真剣に私のビジネスアイディアに向き合ってくださり、ただのアイデアだった構想が、短期間の間で飛躍的に具体化しました。 またコンテスト中に出会った起業同期と協力して新たなミュージカルクリエイターを創出するためのプロジェクト「Protopia Creators Colloboration」を推進しています。
ー水島さんにとって、TSGはどんな価値がありましたか?起こった変化や気づきなどがあれば教えてください。
参加していたわずか数ヶ月の間で「自分が何をやりたいのか」「なぜやるのか」「何のためにやるのか」という基本的な部分を何度も文字に書き起こし、メンターと壁打ちができたことで、土台がガッチリと固まった気がします。この期間を経たおかげで、信念がぶれることがなく今は「事業を具体的にどう進めるか」に専念できています。
ー記憶に残っている参加中のエピソードはありますか?
TSGの1st Stageのプログラムで、起業の動機となる自分の原体験を探すワークショップがありました。そこで「これまでの人生を振り返ってあなたにとっての『最高の瞬間』を映画のシーンのようにありありとストーリーでお話いただけますか?」という問いがあり、『最高の瞬間』を詳細に思い浮かべるうちに涙が溢れてくるという貴重な体験をしました。このワークショップのおかげで、私は自分の起業の原点を明らかにすることができました。
日本産のミュージカルを世界に届ける
ー今後、実現したい世界やビジョンについて教えてください。
まだまだ課題の多い業界です。まずは、関わる人がみんなハッピーでいられるミュージカルの健全なビジネスモデルを実現する「ステークホルダーを繋ぎ、たがいの権利をシェアして、雇われないで公演を成立させる、ミュージカルオンラインプラットフォーム」の構築を目指します。その上で日本産のミュージカルを世界に発信することで、人々の未来を変えるようなエンターテイメント体験を提供したいと考えています。
ーこれから起業を考えている方や、エントリーを検討している方に向けてメッセージをお願いします!
何かしらの「迷い」がある人にこそエントリーをしてもらえたらと思います。参加することで、晴れる迷いは多いと思います。TSGは選考に進めば進むほど成長できる、まさに起業版のライザップです。短期間で成果を出したい人には特にお勧めなビジネスコンテストです。
最初の400文字
水島さんがTSG2020で提出した、最初の400文字は、こちらとなります!
是非皆さん、TSGにエントリーする際に参考にしてみてください!
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中小規模の演劇・ミュージカル団体の活動をビジネスとして持続的に確立させると共に、私たちの時代に生まれた作品をきちんと未来へ届ける仕組みを提供したい。 演劇は人間の教訓を時代や国を超えて伝えることができる中長期的な情報媒体だ。約450年前イングランドの作家シェイクスピアが生み出した「ロミオとジュリエット」という作品を私たちが知っているのは、演劇という媒体がわかりやすい形で現代まで作品を語り継いでくれたからだ。しかしながら、演劇業界は非常に古典的でアナログな世界だ。それが原因で情報が多角化した今、演劇をビジネスとして成立させるのはいよいよ難しい状況となってしまった。ひとまず商業として成立している大手制作会社が手がけるのは過去の人気作ばかりだが、私たちの時代の気づきは私たちの中から生まれるものだ。したがって私は市井で生み出された演劇を一度きりの上演作品とせず、第三者が自由に利用でき、著作者にロイヤリティが還元されるCtoCのコンテンツプラットフォームを構築・運営することで、小さな傑作が埋もれることなく未来へ語り継がれる世界を実現したいと考える。
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過去のTSGの様子はこちら
[ PROFILE ]
水島 由季菜さん(2020ファイナリスト/株式会社Protopia 代表取締役)
日本のミュージカル市場に関する記事やミュージカル役者を対象にした自主アンケート調査結果を発表し話題を呼ぶ。関わるすべての人がハッピーでいられるミュージカルの健全なビジネスモデルを模索する中でTSG2020に参加し、ミュージカルの新しいビジネスアイデアでファイナリストに選ばれる。プロデューサー兼脚本家としてオリジナルミュージカル制作に挑戦し、YouTubeでは短編映像作品を無料配信中。2021年8月には長編作品の公演を予定。ミュージカルに魅了されるきっかけとなった作品は2011年宝塚雪組公演「ロミオとジュリエット」。
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