INTERVIEW
400文字の夢のつづき 第1回 ~旅先でのファッション経験を通し自分らしく生きる~
相坂沙織さん(2019ファイナリスト/株式会社LASSIC CEO)
連載インタビュー『400文字の夢のつづき』は、TOKYO STARTUP GATEWAY(TSG)出身起業家の皆さんに、取り組まれているプロジェクトや起業までのストーリーをお伺いしていきます。
エントリーを検討されている方、そして、幅広く起業をお考えの皆さんのヒントになるはずです。
また本記事の末尾に、実際にTSGのエントリー時に提出された400文字も特別に掲載していますので、どうぞご覧ください。
第1回目は、相坂沙織さんです。
旅行先でこそファッションを楽しみ、自己実現をサポート
ー自己紹介をお願いします。
相坂沙織です。大手広告代理店にて、メディアプランナーとして女性ファッション誌を軸に、様々なクライアントのプロモーション企画に携わりました。その後、フリーランスの広告PRプランナーとして独立し、2019年、TOKYO STARTUP GATEWAYのファイナリストに選出され、2020年、株式会社LASSICを設立しました。会社設立から3ヵ月後に、第一子出産し現在は起業と子育てに奮闘中です。
ー事業について教えてください。
海外旅行するとき、素敵な街並みやビーチで写真を撮りたいのに、日本で調達した服だと地味ではないでしょうか?日本のアパレルメーカーのアイテムは、デイリー使いでベーシックなものが多く、海外ではなかなか映えない。また、海外旅行で本当に着たい服に出会うのも大変!そんな悩みを解決する『海外旅行向けファッションサービス』を現在準備中です。コロナ禍でなかなか海外旅行が難しい中ではありますが、アフターコロナには絶対「旅行バブル」が来ると思います。
そんな「旅行バブル」を見据えて、具体的には
- トラベルファッションに特化したD2Cブランド
- トラベルファッションメディア
- CtoCのトラベルファッションレンタルプラットフォーム
などを準備・構想中です。「女性の自己実現を叶える」というミッションを掲げています。現在は、ターゲットのOFFの時の自己実現ということでトラベルファッション事業を展開していますが、ゆくゆくはONの時の「女性のキャリア支援」なども手掛けたいと思っています。
「トラベルファッション事業」も「女性のキャリア支援事業」も自分の経験に基づいた事業なので、過去の自分が本当に欲しかったサービスです。弊社のサービスを通じて、自分らしく自己実現できる女性が増えることを願っています。
後列の右から3番目が相坂さん
仕事とライフイベントの両立困難から起業へ
ーTSGに参加したきっかけを教えてください。
実は、「元々この事業がやりたいから起業した」という感じではなく、仕事とライフイベントの両立が困難になり、働き方の選択肢として起業を選んだというのが正しいかもしれません。そんな状態からスタートしたので、仲間もいないし、メンターもいない。何からスタートしたらよいか全く分からない。今から思えば恥ずかしいのですが、本当に手探りで手あたり次第行動しているところにTSGの案内を見てエントリーしました。コンテストを通じて、メンターや仲間に出会えること。そしてたった400字でエントリーできるハードルの低さに魅力を感じていたと思います(笑)
ー相坂さんにとって、TSGはどんな価値がありましたか? 起こった変化や気づきなどがあれば教えてください。
本当に、出会いだらけでした。まだ10代の高校生もいたし、色々なキャリア、バックボーンを持った方が本当にたくさんいて、いかに社会に出てから限定的な人間関係で、狭い世界に生きていたのだなと気づきました。コンテスト中に出会った方の素敵なアイデアを聞いてとても刺激になりました。また自分のアイデアも時には褒められ、時にはダメ出しされながら、現在の形にブラッシュアップされていきました。
ー記憶に残っている参加中のエピソードはありますか?
実は、コンテスト期間中に妊娠し、TSGのファイナルステージ直前がちょうど悪阻で死ぬほど気持ち悪かったという珍しい経験をしました。私が妊婦だと分かると、ファイナリストのメンバー、スタッフさんにとても優しく気遣って頂きました。そしてその時、悪阻も抱えながらコンテストの準備も頑張って、起業も自分のライフイベントも欲張りに頑張りたいという覚悟が出来たと思います。昨年は、会社設立もし、第一子も出産し、今までの人生で最も変化に富んだ忙しい一年でしたが、子供がいても、ライフイベントがあっても、起業できるという新たなロールモデルにもなれたらいいなと思います。
多くの女性が自分らしく生きられる世界に
ー今後、実現したい世界やビジョンについて教えてください。
弊社は、「女性の自己実現を叶える」ということをミッションに掲げていますが、まだまだ日本の女性は、特に結婚・出産後、生きづらさを感じて自分らしく理想の人生を送れている人は少ない気がします(私も偉そうなことは言えないですが・・)。ジェンダーギャップも世界で120位。家庭の負担はまだまだ女性に比重が重く、管理職や政治家の割合もかなり低いです。
女性は出産後、復職するとマミートラックに乗るなど、現在は、まだ多くの課題が山積していますが、もっと自由で自分らしく人生をデザインできたらいいのになとよく考えます。そんな想いもあり、社名も「自分らしく」から付けました。世の中を変えるには時間がかかりますが、弊社のサービスや事業を通じて、多くの女性が自分らしく自己実現を叶え、理想の人生を生きて、毎日ワクワクするような世界を実現したいです。
ーこれから起業を考えている方や、エントリーを検討している方に向けてメッセージをお願いします!
「起業を迷っているなら、絶対チャレンジした方がいい」「起業するなら、絶対早い方がいい」と思います。
私が起業しようと思った時は、本当に意識低くて何を事業にするかも決まっていなかったですが、TSGにエントリーして、仲間やメンターと出会う中で、どんどん形になっていきました。エントリーした時は、自分がファイナリストになるなんて夢にも思っていなかったし、会社を作るなんて思ってもいなかったですが、TSGのメンバーや環境が素晴らしくて、どんどん前進できました。なので、迷っているなら絶対エントリーした方がよいです。事業内容も後からついてくるので、大丈夫です!起業するなら絶対早い方がよいです。アイデアの鮮度も気力も年をとると落ちるので、チャレンジするなら今だと思います。
そして、最後に女性の方に伝えたいのですが、起業と女性の働き方ってすごくマッチしているなと改めて実感しました。自分で起業して事業を持つことで会社に依存しないキャリアになるので、全て自分のペースで働けて、子供がいてもキャリアを継続できて、自分で収入や稼働ボリュームも調整できるので、メリットだらけです。初めの立ち上げにはエネルギーがいりますが、そこさえ乗り越えれば本当に自分らしく働けると思います。
私は、本当にTSGに参加してよかった。起業してよかったと思います。こんな私でもなんとかなったので、大丈夫です。皆さんが一歩踏み出すことを応援しています!
過去のTSGの様子はこちら
[ PROFILE ]
相坂沙織さん(2019ファイナリスト/株式会社LASSIC CEO)
大手広告代理店にて、メディアプランナーとして女性ファッション誌を軸に様々なクライアントのプロモーション企画に携わる。その後、フリーランスの広告PRプランナーとして独立。2019年、TOKYO STARTUP GATEWAYのファイナリストに選出。2020年、株式会社LASSIC設立。引き続き広告PR事業と、コンテストで発表した海外旅行向けのファッションサービス『トラベルファッション事業』を展開。会社設立から3ヶ月後に、第一子出産。起業と子育てに奮闘中。
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