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INTERVIEW
人生のエンディングを見据えて考え、話し合うことは「人生をよりよく生きること」

柴田 駿さん(2020セミファイナリスト/アンドフォーアス株式会社 代表取締役)

昨年度から始まりました 連載インタビュー『400文字の夢のつづき』。
2022年度は通年でTOKYO STARTUP GATEWAY(TSG)出身起業家の皆さんに、
取り組まれているプロジェクトや起業までのストーリーをお伺いしていきます。
エントリーを検討されている方、そして、幅広く起業をお考えの皆さんのヒントになるはずです。
それでは、柴田 駿さんのインタビューです。

今秋から事業へフルコミット!

ー簡単に自己紹介をお願いします。

アンドフォーアス株式会社代表の柴田 駿です。
1992年生まれで東京都出身です。慶応義塾大学卒業後、東急株式会社で約5年間働いた後、ベンチャー企業に転職し、
2021年にアンドフォーアス株式会社を設立しました。

ーちなみにプライベートではどんな方ですか?生活スタイルや好きなものについてぜひ教えてください!

今は会社員をしながら兼業で起業しているので、基本的に平日は会社員としての仕事、土日は起業の仕事をしています。今秋から起業にフルコミットすることになるので、週7日終活・相続について考え続けます!笑
仕事中心の生活ではありますが、たまの気分転換には銭湯やサウナに行ったり、友人とテニスをしています。あとは、少人数の飲み会も好きです!

親友の急死がきっかけに。「死」に向き合い「よりよく生きる」こと。

ー今、仕掛けている事業のミッションや活動内容を教えてください。

「死」に向き合うことで、よりよく生きる”をテーマに、終活・相続領域で事業を行っています。
縁起でもない、不謹慎と捉えられがちな「死」は、誰にでも訪れるものであるにも関わらず、十分に考えられたり会話がなされていません。また、十分な準備がなされないことによっていわゆる争続(相続で揉めるケース)や空き家問題といった社会問題にもつながっています。『死に向き合うことは、人生をよりよく「生きること」であり、前向きなこと。』という文化をつくるため、またこれらの課題を解決することを目指し、事業を展開しています。
サービスは主に2つあります。

1つは終活・相続DXサービス「&for us」の開発、もう1つはオウンドメディア「&for us Think!」の運営です。

「&for us」は、30〜40代とその親をメインターゲットとした、終活や相続についての家族内コミュニケーションを円滑化するサービスです。生前から死後までの包括的なエンディングサービスを提供します。
特に、高齢者になっていく親と「終活」についての話をするのは心理的なハードルがとても高いです。資産や家族についての事実やどんな人生を送りたいかという希望をオンラインでまとめ、家族内で共有し、場合によっては弁護士や税理士とも協働しながら、事前準備をすることができます。

「&for us Think!」は、『人生をよりよく生きるためのライフ&エンディングメディア』をコンセプトに、人びとの死生観や専門家の知見、最新のエンディング事業などをご紹介する新しいメディアです。

ー取り組まれている事業・プロジェクトをやりたいと思ったきっかけを教えてください。

4年前に、親友が急死したことがきっかけです。
彼は特に死に向けた準備もしていなかったので、遺された者としては心のよりどころが無くすごく苦しみました。遺族や周りの友人もすごく苦しんでいました。
自分が亡くなるときには家族や友人にメッセージを残しておきたいなという、ふとした想いからこの事業を構想し、共同創業者と一緒に起業しました。
親友の死を通じて「人生はいつ終わるかわからない」と自分の死生観がガラッと変わり、やりたいことはすぐにやろうと思っています。今回の起業も、死んだ親友が背中を押してくれていると思っています。

また、クリエイティブデザイナーやエンジニア等の経験豊かなメンバーが事業に共感してくれチームに参画してくださったことも、このタイミングで起業をする大きなきっかけとなりました。現在もチーム一丸となって、今のサービスを作っています。

起業することも挑戦を続けることも当たり前になった。

ー起業したいと思った時期はいつですか?また、TSGに参加しようと思った時の状況や参加した理由を教えてください。

数年前から「いつか起業したい」と思っていました。去年、会社の先輩が起業したことに刺激を受け、自分も起業することに決めました。起業を決めたものの、何から手を付けたらよいかわからず、目についたピッチコンテストやアクセラプログラムに片っ端から申し込みました。TSGもそのうちの1つでした。

ー柴田さんの人生において、TSGはどんな価値がありましたか?起こった変化や気づきなどがあれば教えてください。

新しい価値を生み出そうとしている人が本当にたくさんいることを知りましたし、セミファイナリスト・ファイナリストの方とは直接お会いできて、存在をリアルに感じることができました。

「起業したい人がたくさんいる」と情報として知っている状態から、さらに一歩進んで「起業を目指す知り合いがたくさんいる」「知り合いが起業を目指している」という状態になることで、起業することも挑戦を続けることも当たり前、と自分の当たり前のレベルが一段階上がった気がします。

ーTSGに参加されてどんな出会いがあったか教えてください。

元葬儀屋で死生学専攻の博士課程にいる大学院生と出会って意気投合し、チームに入ってもらえました。彼はバックグラウンドも事業にフィットしていますし、彼が目指す世界と自分が目指す世界に沢山の共通点があります。面白いし優秀だしすごく良い方と出会えたと思っています。
知らない人と「どんな世界を作りたいか」ということを話す機会はそうそうないですが、TSGの選考においてはそのような機会が何回もあり、自分の考えを整理する面でも、仲間を見つける面でも、大変有意義でした。

ー他に記憶に残ったエピソードはありますか?

決勝大会のファイナリストピッチで、優勝者の方が名前を呼ばれ立ち上がって両手を掲げてガッツポーズを決めた時、僕は彼の1つ後ろの席に座ってそれを間近で見ていました。
物理的な距離は近いけど、起業家として大きな差がある、ということを肌身で感じてめちゃくちゃ悔しかったです。

最後の瞬間まで生かす、自分たちの明日のために。

ーTSG終了後は、どのように事業を進められましたか?

別のアクセラプログラムに参加しアイデアのブラッシュアップを続けながら、エンジニアを含むチームメンバーを集めて、事業実施の準備を進めました。

ーそれでは、今後実現したい世界やビジョンを教えてください。

明日の、私たちのために。& for us(アンドフォーアス)という社名・サービス名には、「私たちのため、そして明日のために、人と人との思いをつなげる場所を提供する」という想いを込めました。
命があるものは、いつか必ず終わりを迎えます。人生のエンディングを見据えて考えをまとめ、そして話し合うことは「人生をよりよく生きること」であり、前向きなこと。最後の瞬間まで、自分を生かすことだと思います。

明日の自分のために、これまでの人生でつながってきた人たちのために、人びとのニーズに寄り添ったエンディングサービスを創造していきます。
自分だけ、ではなく「自分たち(us)」のために。今日だけ、ではなく「明日(アス)」のために。

また、6月にはオウンドメディア「&for us Think!」が、7月には終活・相続WEBサービス「&for us」が、それぞれ公開予定です。
最新情報はTwitterでお知らせします。Instagramでは人々の死生観に関するインタビューを投稿しています。ぜひ合わせてフォローしてください!

ーこれから起業を考えている方や、TSGのエントリーをされる方に向けて、メッセージをお願いいたします。

起業を目指す皆さんは日々お忙しいと思いますが、TSGはエントリーにかかる労力がそんなに大きくない割に得られるものが大きいのでオススメです。一緒に頑張りましょう!

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[ PROFILE ]

柴田 駿さん(2020セミファイナリスト/アンドフォーアス株式会社 代表取締役)

アンドフォーアス株式会社代表。1992年生まれ、東京都出身。 慶応義塾大学卒業後、東急(株)に入社。不動産の売買業務等に従事した後、ベンチャー企業に転職。投資型クラウドファンディングの新規案件組成等を担当。 2021年にアンドフォーアス株式会社を設立。趣味はテニスと街歩き。 相続診断士/宅地建物取引士/FP

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