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INTERVIEW
「人が育つ」コンテスト。実績もプロトタイプもない、アイデアだけだった僕が受賞したわけですから。

嘉数 正人さん(2014ファイナリスト優秀賞/Fabmobi 代表)

kakazu

日本の農業人口の高齢化は深刻だ。
2015年の農林水産省の調査によると、
農業就業従事者のうち65歳以上の割合が63.5%にものぼる。

農業人口の若年化への施策も大切だが、
それ以上に高齢者でも農業に取り組める技術も必要だ。

TOKYO STARTUP GATEWAYにはそのような農業を軽労化するプロダクト、
運搬用一輪車電動化キットを作る人がいる。

今回は21歳にして運搬用一輪車電動化キットづくりに挑戦する
嘉数正人さんにお話を伺った。

仕掛けている事業について教えてください。

「バイク未満のモビリティ」を事業領域としながら、
現在はE-cat Kitという運搬一輪車(ねこ車)を電動化するキットの
販売に向けて動いています。

嘉数くんの写真1

建築や農業の作業の多くは、いまだに人力で行われていて、
大きなものは重機で運びますが、小さなものは人が運びます。
長距離移動はトラックを使いますが、
短距離移動は人がとぼとぼと、ねこ車を押しています。

しかし、重量物を積んで荒れた道を運搬するのは重労働です。
このE-cat Kitは、運搬一輪車(ねこ車)に簡単に取り付けができる
モーター内臓のホイールとバッテリーをセットにした、低価格な後付キットです。
荒れた道や上り坂でも作物やガレキを楽に運ぶことができます。
さらに、別売りのアタッチメントを取り付ければ、
運搬一輪車自体を人が乗れる乗り物として利用することができるという製品です。

嘉数さんにとって、TOKYO STARTUP GATEWAYはどんな価値がありましたか。

TOKYO STARTUP GATEWAY(以下、TSG)への出場をひとつのきっかけに
人生が変わったと感じています。

「400字から気軽に応募できる」というキャッチコピーのTSGですが、
僕も本当に軽い気持ちで応募しました。
まだアイデア段階でプロトタイプさえできていなかったのに、
プロトタイプができている前提で400字を書き上げて応募した憶えがあります。

そんな僕が優秀賞&オーディエンス賞を受賞するという
前代未聞の結果になったわけですから、
僕にとってTSGの価値は「人が育つ」ことにあると思っています。

20141116tokyostartup-116

ファイナル審査の前に、一次審査二次審査とありますが、
その間に講義やメンタリングなどが毎週のように行われ、
TSGのプログラムとともに事業プランもプロトタイプも進化していきました。

最後に、2020年に向けたビジョンをお聞かせください!

日本の農家はますます高齢化が進んでいますし、
大規模生産において海外にはかないません。
そんな状況下で日本の農業が存続するためには、
農作業をラクにそして効率的にする必要があります。

また、農作業の苦を少しでも軽減することで
若い人が農家となる事例が増えていくと考えています。
E-cat Kitをはじめとして、
農業の苦を解決するデバイスを世界規模でお届けできることを目指しています。

2015年7月から、セグウェイ等のパーソナルモビリティの実証実験が
日本全国でおこなえるようになりました。
それに乗じて2020年には日本全国でE-cat Kitを使った乗り物が
公道を走っているとなおさらうれしいですね。

140816_crossoverday (1)

モノづくりには独特の難しさがあるが、
それを物ともしない前向きな力が嘉数さんにはある。

日本の農業を助ける運搬用一輪車電動化キットが実用化され、
普及されていく未来を楽しみにしたい。

主な受賞・掲載実績

2016年01月19日 テレビ東京「ガイアの夜明け」にて特集紹介
2015年12月19日 日本最大級のハードウェアコンテスト「GUGEN2015」にて優秀賞を受賞
2015年10月15日 株式会社ドリームゲート運営「スマビ総研」にて掲載

過去のTSGの様子はこちら

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[ PROFILE ]

嘉数 正人さん(2014ファイナリスト優秀賞/Fabmobi 代表)

TOKYO STARTUP GATEWAY2014ファイナリスト 優秀賞&オーディエンス賞受賞受賞。1993年生まれ沖縄県出身。首都大学東京経営システムデザイン学科(経営工学)に在学。職歴なし。バイト経験なし。社会経験なし。TOKYO STARTUP GATEWAY出場以前まで、特に目立った実績なし。高校時代より、webを活用して中古の本、CDの販売や雑貨、電子機器の輸入販売を行い、2000件以上の取引を行う。大学入学後、電車に載せられる電動バイク「ORIEV」の開発を行い、第一種原動機付自転車としてナンバープレートの登録を行う。移動の負を解決したいとの思いから、非エンジニアながら独学で様々なパーソナルモビリティの開発を始めている。

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