INTERVIEW
不登校児童に正面から向き合い、夢の芽を引き出す。
塚﨑 康弘さん(2014セミファイナリスト/アップシードビーンズ株式会社 代表)
不登校児童の数が増え続けている。2015年の文部科学省の調査によると、
30日以上の長期欠席者の内、「不登校」を原因とする人数は、中学校で9万6789人にのぼる。
なんと、およそ36人に1人は不登校児童がいる計算だ。
この不登校児童の問題に立ち向かう方が
TOKYO STARTUP GATEWAYにはいる。
2014年セミファイナリストの塚﨑康弘さんは、
不登校や勉強嫌いな生徒のための学習塾、『学習支援塾ビーンズ』を立ち上げた。
今回は塚崎さんに、事業内容や起業についての考え方についてお話を伺った。
手がけている事業について教えて下さい。
学習支援塾ビーンズは、不登校や勉強嫌いな生徒のための学習塾です。
心のケアから目的意識づくり、職業観育成、受験対策まで一手に引き受け、生徒の主体的な復学と進学を支援する『学び治しの授業』を実施するために設立しました。
『学び治しの授業』とは、
生徒が抱える様々な問題を段階的かつ着実に解決するビーンズ独自の授業カリキュラムで、ただの座学では終わらない「自ら目的をたてて、自ら挑戦することができるチカラ」を身につけることができます。
事業のビジョンとしては、若者たちが抱く、
「自分が行動しても、どうせ何も変わらない」
といった自分の人生に対する無力感を払拭し、
自分の未来を主体的にデザインすることができる人材を輩出していくことを目的に定めています。
塚﨑康弘さんにとって、TOKYO STARTUP GATEWAYはどんな価値がありましたか。
弊社のブログ、
「東京都主催のビジネスコンテスト・TOKYO START UP GATEWAY 2014に参加して得た学び」
にも掲載しておりますが、
TOKYO STARTUP GATEWAYに参加して最も勉強になった点は、「教育以外の分野で活躍する人たちと数多く知り合えたこと」でした。
生徒たちに自分の将来を考えてもらう時、
彼らの想像の幅を広げてあげるためには、
指導する講師側が
「今、この社会において、どのような問題があり、どのような人たちが、どのようなチャレンジで解決しようとしているか。」の実例を知ることが大切です。
また、不登校・勉強嫌いの悩みを抱える生徒の多くは、過去の失敗から、新しい挑戦を恐れ、考えることをやめてしまうケースが多いです。
しかし、生きていく上で大事なことは、七転び八起きの精神です。
「たとえ失敗しても、くじけずに試行錯誤を繰り返し、最終的に克服してみせるチカラ」が、学校や社会、また人生のあらゆる局面で求められます。
TOKYO STARTUP GATEWAYの方々と一緒に過ごす中で目の当たりにした「参加者一人一人のバイタリティ溢れる生き様やエピソード」は、生徒たちの心のケアや職業観育成など、あらゆる面で大きく役立っています。
これから起業を考えている方に向けて、メッセージをお願いいたします。
「起業したいけど踏ん切りがつかない」という人は、まずは実際に起業した方々が集まる空間に参加してみることをおススメします。
実のところ、塚﨑も当初は起業をためらう気持ちが強くありました。
私の身の周りに起業を考えているような人は少なく、起業について話したり、真剣に考えたりする機会がなかったからです。
しかし、TOKYO STARTUP GATEWAYへ参加した途端、大勢の起業家・経営者の方々に囲まれて、自然と自分の事業について真剣に考えるようになっていきました。
少し環境を変えれば、関わる人間が変わり、新たな刺激を受け、自分の中の常識や価値観も変わります。
気づけば「起業は決して特殊な選択ではない」と確信するまでになっていました。
生徒たちにもよく伝えるのですが、私たち人間が持つ時間は、どうしても有限です。
「今の自分が悩んで立ち止まっている」と感じる方は、まずは行動を起こしてみることが大事だと思います。
今回、私が「刺激を受けられる環境」としてTOKYO STARTUP GATEWAYを選んだことは、とても有意義な選択だったと思っています。
これからも全力で応援していきたい。
主な受賞・掲載実績
2014年08月19日 8bit.news.にてインタビュー記事掲載
2015年09月30日 新宿ビズタウンニュースに特集掲載
過去のTSGの様子はこちら
[ PROFILE ]
塚﨑 康弘さん(2014セミファイナリスト/アップシードビーンズ株式会社 代表)
1985年8月10日生まれ、大分県中津市出身。早稲田大学人間科学部を卒業後、佐々淳行事務所および広告代理店にて勤務。その後、難関校逆転合格専門の家庭教師の活動をする中で、不登校・ひきこもりなどの悩みを持つ生徒が増えていることや、10年前に自分自身が受験生だったころから変わらない「詰め込み型の勉強指導を続けるだけの教育」に危機感を覚え、これらの問題を解決するべく、起業を決意。2014年7月に新宿区立高田馬場創業支援センターより創業支援を受けながら、同年9月に高田馬場で教室を構えて、学習支援塾ビーンズを開塾する。2015年8月にアップシードビーンズ株式会社を設立し、「自主性の育成」をテーマにした指導方針のもと、日々生徒たちと向き合い、教育サービスの持続的改善に務めている。
他の記事を見る
INTERVIEW
【動画】《東京都のビジコンに当時高校生で参加した2人へインタビュー》東使勇樹さん…
東使 勇樹さん(2018ファイナリスト/慶應義塾大学総合政策学部1年/TOKYO STARTUP GATEWAY2018 ファイナリスト)