「空飛ぶクルマ」で、子供達に夢や憧れを、次の日本に新しい産業を。
中村 翼さん(2014ファイナリスト優秀賞/CARTIVATOR 代表)
仕掛けている事業について教えてください。
次世代の子供達に夢や憧れを提供し、次の日本に新しい産業を創出すべく、空飛ぶクルマの実現を目指しています。まず第一のターゲットに置いているのは、2020年、東京オリンピックです。全世界が日本に注目するこの年、我々の開発する空飛ぶクルマ「Skydrive」を、開会式にてデビューさせたい。そして、今後さらなる過密化が進む都市における渋滞問題や、砂漠のような道がない場所での移動の不自由さといった課題に対し、地上に依存しない新たな交通インフラとしての普及を狙います。空という空間は、今はまだ一部の富裕層や大型旅客機にしか利用されていませんが、いずれ誰もが利用出来る時代を創るべく、「パーソナルな三次元移動」という新たな価値を提供していきたいと思っています。
中村翼さんにとって、TOKYO STARTUP GATEWAYはどんな価値がありましたか。
私にとってTOKYO STARTUP GATEWAYは大きく3つの価値がありました。 一つ目は、起業家の方や出場者の方との関係性を築くことが出来た点です。メンターの方々、ファイナリストの方々とは、今後も長い関係を続けさせていただくことが出来そうで、とても心強く思っております。普段なかなか接する機会のない起業家や投資家の方々とのネットワークが広がり、さらに人が人を紹介してくださることで、指数関数的に世界が広がりました。 二つ目は優秀賞をいただいたことで、一気に活動の知名度が上がり、社内外での評価も高まった点です。ファイナルイベントの後、WEBメディアや紙媒体、テレビなどで取り上げていただき、それがさらにメディアを呼んで、という連鎖が発生しました。我々にとってTOKYO STARTUP GATEWAYでの優秀賞の受賞はかなり大きな転換点となりました。 そして、三つ目はアクセラレーション部門の存在です。特に「仮想取締役会」という、第三者の方と議論をするための枠組みを用意していただいたことで、自分達のプランを継続的にブラッシュアップをすることが出来ていると実感しております。毎月一回の定期開催とすることで、進捗確認と計画修正の場ともなっています。ぜひ継続的に色々な方をご招待し、アドバイスをいただける場にしていきたいと思っています。
2020年に向けたビジョンをお聞かせください。
2025年以降の空飛ぶクルマSkyDriveの普及に向けて、2020年の東京オリンピックで試作機をデビューさせることを重要なマイルストーンと置いています。具体的にはオリンピック開会式にて、空飛ぶクルマを使って聖火台に火をつけるデモンストレーションを実現します。世界中の人が注目するこの舞台で、夢の技術を実現した時、日本の価値を大きく高めることが出来ると信じています。これを実現すべく、2020年に向けては第一に試作機の開発、資金調達による開発の加速、そして広報によるサポーターの拡大を行い、”All-Japan SkyDrive Project”として、日本中を巻き込んで実現していきたいと考えています。
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PROFILE
中村 翼さん(2014ファイナリスト優秀賞/CARTIVATOR 代表)
TOKYO STARTUP GATEWAY2014ファイナリスト優秀賞受賞。1984年生まれ。幼少の頃にフェラーリに憧れ、自動車エンジニアを志す。慶應義塾大学・大学院にて機械工学を専攻しつつ、レーシングカー製作の学生チーム代表を務めたことで学業との両立が認められ、理工学部創設者の藤原賞を受賞。現在は自動車会社にて設計業務に従事。その一方で、クルマからもらった夢を引き継ぎ、次世代に新しい価値を提供することを目指して、2012年にコンセプトカーを企画・製作する有志団体、CARTIVATORを設立。9名のメンバーと共に、次世代にふさわしい空飛ぶクルマの実現を目指し奮闘中。
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