TOKYO STARTUP GATEWAY

English都庁総合トップページサイトマップ

HOME > TSGマガジン > 「レシート1枚10円」のONE 衝撃のローンチからサービス一時停止までの16時間 ~天才高校生プログラマー 山内奏人CEO 独占インタビュー~

INTERVIEW
「レシート1枚10円」のONE 衝撃のローンチからサービス一時停止までの16時間 ~天才高校生プログラマー 山内奏人CEO 独占インタビュー~

山内奏人さん(2016コンテスト部門メンバー/ワンファイナンシャル株式会社 CEO, Founder)

yamauchikun1

(記事公開日時: 2018年6月13日 01:31)

自らつくり手掛けたサービスや商品を世の中にリリースする瞬間は、何にも代えがたい瞬間ではないだろうか。

2018年6月12日。今夜、日本で最も話題のサービスのひとつといえる「ONE」を世に放った、ワンフィナンシャル株式会社の山内奏人さんに、突撃インタビューをすることができました。

既にご存知の方も多いかと思いますが、「ONE」はレシート1枚を10円で買い取るという画期的なサービスです。

このインタビューは、サービスローンチ直後のこの日、想定以上のユーザーが殺到し、サービスが一時停止してしまった直後の状況でのインタビューです。たった16時間で約10万ダウンロードを達成した「ONE」をローンチした同社代表の山内さんは、弱冠17歳、現在高校生でありながら、1億円の資金調達を成功させたことで一躍話題になった起業家でもあり、スタートアップでもあります。

・果たして、どのような想定だったのだろうか?
・想定を超えた瞬間、どのような感情だったのだろうか?

山内さんはTOKYO STARTUP GATEWAYの過去のメンバーでもあり、その後、様々な試行錯誤を経て起業し、現在に至る経緯もあり、今回のインタビューが実現しました。以下は、山内さんがわずかな休息をとるため、オフィスの部屋を出ようとされた瞬間に、インタビューをさせていただいた、サービスパンク直後の「約8分間」の全記録です。


 

yamauchikun2

 

◆Q.「ONE」というサービスをローンチしたその瞬間はどのような心境だったのですか?

一番最初は、朝6時にリリースだった。そのときたぶん、30分で、やっと100人。あんまり伸びないな、しくったな、と思っていたんですけど、気づいたら結構勢いがついていて。さっきとか(22時頃)、1分で1000人増えていた、という状況で。いま、おそらく8万くらいユーザーがいて、ダウンロードベースでは、もうすぐで10万届くかな、くらい(6月12日22時過ぎ現在)。気づいたら、やばい、やばい、という感じで、いま(サービスが)止まってしまった、というかたちです。

◆Q.(サービスローンチ前の)昨日の夜とか、今日の朝6時は、山内さんはどんな心境でしたか?

全然寝れない状況が続いた。広まるかな、広まらないかな、みたいな心配で夜が明けた。深夜に準備を終えて、あとは人事を尽くして天命を待つ、という心境にいて。ちょっときつい、というか、もう寝ようと思って、少し寝て。

◆Q.ローンチの瞬間はどのような状況だったのですか?

朝5時くらいからずっと起きていて、メンバー全員で電話しながら、今のユーザー状況とか、バズってるね、とか、バズってないね、とかを話していた。あ、もうちょっとだね、とか。ユーザー何人くらいいくかな、とか、予想したりして。実はいま、CASH(※1)の2.2倍くらい、CASHも前に16時間でDL数が3万くらいでサービスが停止して、「ONE」も15.5時間くらいで停止してしまったんですけど、9万前後くらいのDL数がある。比較的、CASHよりも認知してもらえたのかな、って。半分、嬉しいという感情と、半分、とても不安。サービスが停止しているのもありますし、これから先どうなるかわからない、という不安が大きいです。(※1 目の前のアイテムが一瞬でキャッシュに変わるアプリ「CASH」)

◆Q.最初にローンチしてから、潮目が変わった瞬間は?

朝の7時半くらい。通勤の時間。そのタイミングでニュースピックスが、全ユーザーに通知を送ってくれた。1000pick、2000pick、3000pickと伸びていって、そこでやっと、「伸びてるなっ」と実感を得ることができた。

◆Q.実は私も、今朝テッククランチで記事を見て。無事、上限の100円まで行きました。笑

それこそ、最初朝の時点、8時、9時はDL数は伸びるけれども、登録や買い取りは、あんまり伸びなかった。そういうのがついてきたのが午後。数値が伸びていくのは、凄くエキサイティングだった。想定よりも10倍というタイミングもあったけれど、今は想定の200倍とか、2000倍くらいきていて。本当にパンクしそうで、もちろん、キャッシュフロー的にも、きついなというところで。いまは一時的に止めている、というところです。嬉しさもありますが、不安で一杯です。

◆Q.今は一旦ストップ、というところだと思いますが、今後の見通しはどのように考えていますか?

正直いまはなんともいえないです。今後のことはまだ何もわからないですし、サービスを止めているので、まずは1週間、全力でこれからのことを考えていきたい。

◆Q.いまの山内さんの心境的には、ワクワクと不安とっていうお話がありましたが、どんな気持ちが一番大きいですか?

とりあえず、寝たい、というのがあります(笑)、今日も朝5時からやっているので。でも本当に楽しい。人生で一番楽しい日。自分たちでつくって、自分たちで思い描いてきた、想定どおりに使って頂いて、想定通りに拡散して、本当に今日は、色々な意味で今までの人生で一番エキサイティングな一日なのかな、という気持ちがしています。

◆Q.最後に、これから、そういうことを起こそうとしている日本中、世界中の人たちへのメッセージを頂けますか。

やっぱり「とりあえずやってみる」こと。僕もやってみて、盛り上がりすぎてしまって、今のこの状況。とりあえず、やってみて、出してみて、ユーザーの反応をみてみる。それくらいがいいんじゃないですかね。それこそ、「一枚10円でレシート買い取ります」とか、キャッチ―さだけで決めたところもあって。とりあえずだしてみて、マーケットからの評価を得て、トライ&エラーで、改善を繰り返すことが、いま一番評価されるプロダクト開発の仕方だと思います。なので、とりあえずやってみる、が一番いいと思います。僕もとりあえずやってみるで、4つ目のプロダクトで、やっとこれだけの人に使ってもらえることになったので。まだ「1日」も、使ってもらえてないですが。

ーー
yamauchikun3
山内さんを含むチームは、今もなお対応に追われている。

400字のアイデアからスタートすることを応援させて頂いた我々としても、微力ながら、山内氏の挑戦を、引き続き応援していけたらと思います。

過去のTSGの様子はこちら

TOKYO STARTUP GATEWAY 2021

TOKYO STARTUP GATEWAY 2020

TOKYO STARTUP GATEWAY 2019

TOKYO STARTUP GATEWAY 2018

TOKYO STARTUP GATEWAY 2017

TOKYO STARTUP GATEWAY 2016

TOKYO STARTUP GATEWAY 2015

TOKYO STARTUP GATEWAY 2014

[ PROFILE ]

山内奏人さん(2016コンテスト部門メンバー/ワンファイナンシャル株式会社 CEO, Founder)

他の記事を見る

REPORT

先輩のSTARTING LINE -第7回- ハイブリッドキャリアの先にあるまだ…

稲葉 哲治さん(SOIF共同代表/エシカルペイフォワードプロデューサー/EDAYAプロボノ/HRコンサルタント)

INTERVIEW

初めは、「起業」というものは異星人が行うものだと思っていました。

西山恵太さん(2014セミファイナリスト/Curio School代表取締役)

INTERVIEW

【動画】「好きなことだけやっていても社会にインパクトはあたえられない」株式会社O…

本多 重人 (旧姓 小幡)さん(2017ファイナリスト/株式会社OpenSky 代表取締役)

REPORT

先輩のSTARTING LINE -第8回- 会社・家族・社会との対話が変える…

石川 貴志さん(一般社団法人Work Design Lab 代表理事/複業家)

記事一覧へ戻る