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INTERVIEW
400文字の夢のつづき 第12回 ~雪国の日常を変える「雪の積もらない路面」の開発~

山本 慎之介さん(2019ファイナリスト/一般社団法人Surface Builder共同代表 / 総合化学メーカー会社員)

連載インタビュー『400文字の夢のつづき』は、TOKYO STARTUP GATEWAY(TSG)出身起業家の皆さんに、取り組まれているプロジェクトや起業までのストーリーをお伺いしていきます。

エントリーを検討されている方、そして、幅広く起業をお考えの皆さんのヒントになるはずです。

第12回目は、山本 慎之介さんです。

 

「雪の積もらない道路」を目指し、生活を変えるインフラをつくる

ー自己紹介をお願いします。

山本 慎之介です。一般社団法人Surface Builder共同代表で、総合化学メーカーの会社員でもあります。15歳のとき、雪が歩道に積もり車道を歩く子供や高齢者を見て「雪の積もらない路面の開発」を決心し、大学で寒冷地の土木構造物を研究後、YKKAP株式会社で商品開発に従事しました。その後、AGC株式会社の製造管理を経て、総合化学メーカーに在職しています。TSGファイナリスト選出後、次世代の路面インフラを開発・共創するため、有志団体Surface Builder(サーフェスビルダー)創設し、現在、「雪の積もらない路面」の1/1スケールの実機を製作中です。

ー事業について教えてください。

ミッションは、「雪の積もらない路面で雪国の生活を変えること」です。ミッションを遂行するために有志団体Surface Builderを創設し、メンバーと共に「雪の積もらない路面インフラ」の開発をしています。これまでの活動では、1m×2mの小型模型を使い性能検証、複数の特許出願をおこなってきました。

一方、雪国の交通事業者や自治体へのヒアリング調査では、新しい路面インフラの導入条件として1/1スケールの実機導入の実績を求められることがわかりました。そのため、まずは駐車場スペース(2.5m×5m)の広さの路面インフラの実機製作を進めています。先日、クラウドファンディングを完了し、空きスペースを借りて今後製作する実機の広さを体感してきました。2021年度中に実機完成を予定しており、展示会などで皆さんに実際に路面を歩いてもらいたいと考えています。

TSG参加の偶然が生んだ現在に至るまでの「繋がり」

ーTSGに参加したきっかけを教えてください。

参加のきっかけは、偶然見つけた電車内の広告で知ったことでした。正直、それまでビジネスコンテストについては頭の片隅にもありませんでした。ただ、私自身、もともと色々なことをやってみたい、知りたいという気持ちが人一倍強かったため、すぐに応募しました。

ーTSGに参加されて、どのような出会いがありましたか?

参加して、「こんなことをやってみたい」、「変えてみたい」と熱意を持った異業種の方と多く出会うことができました。その中でも、実際に自らの考えを行動に移している方々から刺激を受け、当初、熱意だけでビジネスプランを話していた私が、半年後のTHE FINAL本番発表前には小型模型をつくり、特許出願など行動に移すことができました。また、今の活動メンバーもTSGをきっかけに知り合うことができました。人と環境は大事です。

ー山本さんにとって、TSGはどんな価値がありましたか?起こった変化や気づきなどがあれば教えてください。

多くのTSGメンバーやメンターの方とビジネスプランをブラシュアップすることにより、自分の視野を広げることができたと思います。例えば、当初、私は優れた技術さえあればビジネスはうまくいくと考えていましたが、顧客が不明確であったためビジネスとして成り立たないこと、そして一つの技術や利益に固執するリスクなどを知り、視野の狭さと無知を知ることができました。恐らく1人で起業していたら気付かなかったと思います。

ー記憶に残っている参加中のエピソードはありますか?

エピソードといえませんが、TSG応募時に、これまでの自分を内省し、人生を振り返ることで、社会人となって忘れていた学生時代の想いや夢を思い出すことができました。一方、当時は、会社員として寝ずに働いており多忙で辛い毎日をただ過ごすだけでしたが、 TSGの参加がきっかけで自分の人生でやりたいことが明確となり、私の人生は変わりました。実際、やりたいことをやってみることは大変でしたが、その分、自分にとって非常に有意義な経験となりました。

当たり前は更新され続け、常に変わり続ける

ー今後、実現したい世界やビジョンについて教えてください。

将来的には、雪の積もらない路面だけではなく、緑化、エネルギー、共同溝、防災、無電柱化など路面インフラが担う社会基盤としてのポテンシャルを生かし、路面を資源化し、社会・環境・ビジネスとして循環させ、私たちの日常生活を変えるきっかけをつくりたいと考えています。

ーこれから起業を考えている方や、エントリーを検討している方に向けてメッセージをお願いします!

私は、社会、日常生活、働き方などに「不変的な当たり前はない」と思っています。TSGは、これまでの当たり前を変える場所です。私は、15歳のときに見た雪が歩道に積もり車道を歩く子供や高齢者の光景、雪国の交通渋滞、除雪で生活時間を失う現実の「当たり前の疑問」からビジネスプランを考案しました。また、私の周囲では起業して会社員を辞める方がほとんどでしたが、あえて転職し、会社員と起業の複業という働き方を選びました。ぜひ、TSGに挑戦し、新しいディファクトスタンダードをつくってほしいと思います。

最初の400文字

山本さんがTSG2019で提出した、最初の400文字は、こちらとなります!
是非皆さん、TSGにエントリーする際に参考にしてみてください!

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雪国で育った私は、中学生のあるとき、通学の子供や高齢者が歩道に雪が積もっているため融雪された車道を歩かざるを得ない状況になっていること、一方、車道では融雪装置で溶かされた雪水が氷点下で凍結し路面の凹凸となり交通渋滞の原因のひとつとなっていることに気がつきました。また、路面融雪の従来技術は、地熱エネルギーの設置コスト、地下水の低下などの課題があります。そこで「雪の積もらない路面」を新開発して、雪国の生活にイノベーションを起こしたいと考えています。例えば、【安全・安心】子供・高齢者・視覚障害者等の交通弱者が安全に歩ける歩行環境の整備、高齢者の除雪負荷や事故削減、雪道の車線可視化【快適】駐車場の除雪不要、雪・水溜りをなくし歩行通行の改善等です。 私は、中学生から構想を考えて、大学で雪国の土木構造物を研究、大手建材会社で商品開発等に従事して準備してきました。ぜひビジネス化に力を貸してください。

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[ PROFILE ]

山本 慎之介さん(2019ファイナリスト/一般社団法人Surface Builder共同代表 / 総合化学メーカー会社員)

15歳のとき、雪が歩道に積もり車道を歩く子供や高齢者を見て「雪の積もらない路面の開発」を決心。大学で寒冷地の土木構造物を研究後、YKKAP株式会社で商品開発に従事。その後、AGC株式会社の製造管理を経て、総合化学メーカーに在職。TOKYO STARTUP GATEWAY2019ファイナリスト選出後、次世代の路面インフラを開発・共創するため、有志団体Surface Builder(サーフェスビルダー)創設。現在、「雪の積もらない路面」の1/1スケールの実機を製作中。

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