INTERVIEW
「科学でスポーツのできないをなくす」ウェアラブルデバイスの開発
宮澤 留以さん(2021ファイナリスト/株式会社sci-bone 代表取締役CEO)
昨年度から始まりました 連載インタビュー『400文字の夢のつづき』。
2022年度は通年でTOKYO STARTUP GATEWAY(TSG)出身起業家の皆さんに、
取り組まれているプロジェクトや起業までのストーリーをお伺いしていきます。
エントリーを検討されている方、そして、幅広く起業をお考えの皆さんのヒントになるはずです。
それでは、宮澤 留以さんのインタビューです。
スポーツウェア×ITから生まれた株式会社sci-bone。
ー簡単に自己紹介をお願いします。
信州大学大学院にて、スポーツウェアの研究開発に携わっていました。新卒で、繊維メーカーに入社後、新規事業であるモーションキャプチャウェアの研究開発、特許出願を実施しました。その後、ハードウェアスタートアップに転職し、計測アルゴリズムの構築・検証からPoC推進まで広く担当しました。
そして、2022年2月に株式会社sci-bone(サイボウン)を設立し、動作習得に特化したウェアラブルデバイスの研究開発や動作計測に、日々取り組んでいます。
ーちなみにプライベートではどんな方ですか?生活スタイルや好きなものについてぜひ教えてください!
今年の3月末に東京に引越し、現在はランナー向けのシェアハウスに住んでいます。デバイスの提供もランナーの方への提供から始めようとしているため、日々ランナーの生活感を感じ取れています。
また、私自身も大学まで続けていたランニング(陸上競技)を再開し、月1回ペースでレースへ出場しています。現在は、ランニング時のモーションデータを解析できるユニフォームを趣味で開発していて、自分で作った計測・解析機能付きユニフォーム(自社ロゴ入)でレースに出場することを目標としています!
今までにないフィードバック手法のウェアラブルデバイスの事業をはじめたい。
ー今、仕掛けている事業のミッションや活動内容を教えてください。
株式会社sci-boneでは”科学でスポーツのできないをなくす”をミッションに活動しています。内容としては、「振動を使って感覚的に正しい動きが習得できるウェアラブルデバイス」と「デバイスの振動制御モデルの構築」を実施しています。
今までの多くのウェアラブルデバイスで行われていた結果の可視化から、さらに進化し、能力を拡張して動作を習得できる世界の実現を目指しています。
ー取り組まれている事業・プロジェクトをやりたいと思ったきっかけを教えてください。
大学・大学院、新卒で入社した国内繊維メーカー、ハードウェアスタートアップにて、スポーツウェアやウェアラブルデバイスの研究開発・事業に携わってきました。それぞれの企業の製品の機能自体は悪くなかったのですが、本質的にユーザーの課題を解決できていないと感じることが多かったです。
例えば、睡眠を計測するアプリで「睡眠時間が短いので早く寝てください」と表示されても私たちはできないように、現在の課題を可視化しても、課題自体はなかなか解決しないということを痛感しました。
どうしても既存の企業の枠組みの中で、可視化以外の今までにないフィードバック手法のウェアラブルデバイスの事業を、0から創出することは難しいため、いつかは自分でプロジェクトを始めたいと感じていました。
ー宮澤さんの人生において、TSGはどんな価値がありましたか?起こった変化や気づきなどがあれば教えてください。
TSG2021に参加し始めたタイミングでは、事業の構想はかなりふわっとしたものでした。TSGのカリキュラムで実施される講義の中で、事業の解像度を上げる機会が多くあり、具体的に何をするべきかがアクションとして決まっていきました。
また、TSGのカリキュラムの中で知り合った起業同期の方々と毎日のように壁打ちをしていったことで、大きい方向性はカリキュラムで決定し、細部を起業同期と壁打ちするサイクルが回り、事業の解像度がどんどん上がっていったことを覚えています。
誰でも運動ができるようになる世界の実現へ。
ー今後実現したい世界やビジョンがあれば教えてください。
私たちは、科学とコツを融合し、体にインストールすることで、誰でも運動ができるようになる世界の実現を目指しています。そのためには、ウェアラブルデバイス開発をするハードウェアエンジニア、モーションデータを計測・解析し科学コツを構築するスポーツエンジニア、その他事業を推進するメンバー、サポートが必要です。私たちと一緒に、今までにない全く新しいスポーツメーカーを創出していただける方のご連絡お待ちしております!
ーこれから起業を考えている方や、TSGのエントリーをされる方に向けて、メッセージをお願いいたします。
TSGに参加することで、今ぼんやりと考えている事業の構想レベルから、具体的に何をしたら良いかアクションが明確になるところまで解像度が上がると思います!特に、ハードウェア開発や研究に関わる内容で起業を考えられている方は難易度が高く、何から始めたら良いかわからないケースも多いかと思います。
TSGの同期の中には近い課題を抱えた方も多く、課題を共有し解決する機会も多くありました。事業を始めたい方(特にハードウェア、研究関連)は、ぜひチャレンジしてみてください!
過去のTSGの様子はこちら
[ PROFILE ]
宮澤 留以さん(2021ファイナリスト/株式会社sci-bone 代表取締役CEO)
株式会社sci-bone 代表取締役CEO/TSG2021 ファイナリスト 信州大学大学院にて、スポーツウェアの研究開発に携わる。新卒で繊維メーカーに入社後、新規事業であるモーションキャプチャウェアの研究開発、特許出願を実施。ハードウェアスタートアップに転職後、計測アルゴリズムの構築・検証からPoC推進まで広く担当。 2022年2月より、株式会社sci-bone(サイボウン)を設立し、動作習得に特化したウェアラブルデバイスの研究開発、動作計測に取り組む。好きなものは猫と寿司。
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